江陵の伝統
300年の歴史をもつ古宅の美
カンヌン(江陵)ソンギョジャン(船橋荘)
カンヌン(江陵)ソンギョジャン(船橋荘)は300年の歴史を持つ朝鮮時代の士大夫の上流住宅だ。韓国の美しい伝統古宅の姿を今にとどめている国家指定文化財だ。現在も10代にわたってその子孫が暮らしている民間住宅だ。その昔、キョンポ(鏡浦)湖が今より広かった時代、ソンギョジャン(船橋荘)の前まで海とつながる湖だった。それでこの家に出入りするために「船に乗って渡る」ことから「ペダリ家」と呼ばれた。それに由来した名前がソンギョジャン(船橋荘)である。
1760年に初めて建てられたソンギョジャン(船橋荘)は、韓国で現存する住宅の中で最も規模が大きい。ヨルファダン(悦話堂)、ファルレジョン(活来亭)、トンビョルダン(東別堂)、母屋など9棟の建物で102間規模だ。建築物の配置を見ると、宮殿のようでもある。この中でファルレジョン(活来亭)とヨルファダン(悦話堂)がソンギョジャン(船橋荘)を代表する建築物。
ソンギョジャン(船橋荘)のチケット売り場を通るやいなや右側に活来亭が先に目に入ってくる。ファルレジョン(活来亭)は人工で造成した池の上に建てられた楼亭だ。水の上に浮かんでいるヌマルとオンドル部屋、お茶を飲む茶室がある。
四方が門になっており、門が開けば山や池、庭園を見ることができる。美しい建築様式と造園美を鑑賞できる。門越しに見える風景が四季折々に美しい絵になる。
夏になると、池で満開の蓮の花がファルレジョン(活来亭)と調和してさらに美しい。
ソンギョジャン(船橋荘)は富を誇示するために建てられた豪邸ではない。大家族が住む住宅と客人がくつろげる空間として、全国の風流客が集まった場所であった。詩人や門客など、誰でも休めるように部屋を譲った。大邸宅でありながらも、ソンギョジャン(船橋荘)に入る門が素朴であるのもその理由だ。現在も朝鮮時代当時、ソンギョジャン(船橋荘)に留まっていた風流客人の作品が随所に残されている。
ソンギョジャン(船橋荘)の中心といえる母屋に入ると、最も貴重な客人を迎えたヨルファダン(悦話堂)が目を引く。韓屋とは似合わない日よけ幕が見える。旧韓末、ロシアの公使がここに招待され、手厚いもてなしを受けて帰ったという。その感謝の印としてロシアからの贈られたのがこの日よけだ。伝統韓屋と異国的な日よけ幕が絶妙に調和を成している。
ヨルファダン(悦話堂)のオルガン公演
ここで毎週水曜日に「ヨルファダン(悦話堂)のオルガン演奏」が開かれる。この家の嫁であるオルガニストのハン·ジユンが名曲を演奏する。伝統的な古宅とは似合わないが、ロシアの日よけ幕が掛けられたヨルファダン(悦話堂)のオルガン公演が調和している。縁側に座って演奏を鑑賞していると、しばらくタイムスリップするような気がする。昔の芸術家たちがヨルファダン(悦話堂)に集まって文章や絵をしたためては歌っていた昔の姿が思い出される。これらすべての芸術や文化を受け入れるソンギョジャン(船橋荘)の伝統が300年の歴史を受け継いでいるのだ。
長い歳月が流れた家の庭、門を行き来しながら隅々まで見て回る。生活遺物展示館、ソンギョジャン(船橋荘)博物館など見どころ満載だ。。しばらく休みたい時は、ソンギョジャン(船橋荘)を一目で見渡せる「カフェ·リモン」に立ち寄ってみよう。コーヒーはもちろん、韓国の伝統飲料や伝統韓菓も味わえる。
お茶一杯と共にしばらく休んだら、ソンギョジャン(船橋荘)を取り囲むトゥルレキルも一周してみよう。オジュクホン(烏竹軒)で見られる黒い竹がソンギョジャン(船橋荘)の裏にもある。古い松の木と竹が風情を添えてくれる。
その昔、風流客が一晩泊まっていたソンギョジャン(船橋荘)では韓屋ステイを運営している。 300年伝統の韓屋で特別なひと晩を体験してみよう。他にも韓服体験、茶食作りなど様々な体験をして楽しむことができる。
ソンギョジャン(船橋荘)の至るところに見られる案内板には外国人のためのオーディオガイドQRコードがある。詳しい説明を聞きながら回ると、ソンギョジャン(船橋荘)の魅力にもっと取り付かれることだろう。
利用案内
毎日9:00~18:00(年中無休)
外国人通訳解説のお問い合わせ:+82-33-640-4373
ヨルファダン(悦話堂)のオルガン演奏
毎週水曜日の午後2時30分~3時
カンヌン(江陵)ソンギョジャン(船橋荘) :
カンヌン(江陵)市ウンジョンギル63