テーマ旅行
千年の伝統
2025江陵(カンヌン)端午祭

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春と夏の間、江陵(カンヌン)ではとても特別な祭りが開かれる。千年の歴史を持つ江陵端午祭は、ユネスコが指定した人類無形文化遺産であり、韓国を代表する伝統祭りである。ユネスコ無形文化遺産に登録されている江陵端午祭は、韓国で最も古い名節の祭りで、現在も地域住民によって受け継がれている誇り高い文化ともいえる。旧暦5月5日を中心に8日間にわたって開かれ、神に祈りを捧げる神聖な儀式から一日中続く公演、多彩な体験、そして国内最大規模のナンジャン(伝統市場)まで、江陵端午祭で最も韓国らしい旅を満喫してみよう。特に、今年はユネスコ無形文化遺産登録20周年を迎え、見どころがたくさん増えたとも。

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祭りの始まりを告げる「キルノリ(道遊び)」は、江陵全域の住民たちが準備する賑やかなストリートパレード。江陵を守る神を端午祭壇へお迎えするパレードには福を祈り、平安を願う心が込められている。市内の中心部を横切るパレードは、21の村それぞれの物語と個性が込められたパフォーマンスで見物する価値がある。風物隊(プンムルペ)の太鼓やチャングの音に合わせて自然と肩が揺れ、笑顔が広がるその瞬間、みんなが祭りの一員になれる。
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端午祭では伝統公演である江陵農楽や官奴仮面劇、荷坪(ハピョン)橋踏み遊び、鶴山(ハクサン)オドクテギなど、江陵独自の民俗芸術を披露する。中でも、朝鮮時代の両班(ヤンバン)を風刺する官奴仮面劇は、韓国で唯一の無言仮面劇で江陵でしか見ることのできない貴重な文化遺産。俳優たちは仮面をかぶり、言葉の代わりに身振りと踊りで感情を表現し、観客と一体となる躍動感あふれる舞台を披露する。
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江陵端午祭では、韓国の伝統文化が息づく舞台が毎日繰り広げられる。醴泉(ウェチョン)靑丹遊び、洪城(ホンチョン)結城農謠、密陽(ミリャン)白中遊び、珍島(チンド)タシレギといった公演など、韓国各地を代表する様々な伝統公演が楽しめる。日本、ラトビア、ボツワナ、モンゴルなど世界各国の伝統芸術も楽しめる。さらに、若手アーティストによるフュージョン国楽、ダンスパフォーマンス、メディア公演がこういった伝統公演に新たなエネルギーを足してくれる。毎日新たな舞台が続く江陵端午祭で伝統と現代、地域と世界が出会う特別な感動を体験してみよう。
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各会場では、誰でも自由に参加できる体験プログラムがある。韓服体験、1年間の幸運を願って空高く跳ぶブランコ乗り、菖蒲を煎じた水で厄を洗い流す菖蒲水での髪洗い、そして扇に絵を描く端午扇描き体験まで!楽しく有意義な体験で端午の伝統を五感で感じてみよう。現場で直接申し込みが可能だが、人気の体験は早めに締め切られることがあるため、早く訪問するのをオススメ。
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江陵市民が集めた米で丁寧に醸した酒「端午神酒」は、神に捧げる祭礼に使われる。ほろ苦いヤマボクチの香りがほのかに漂う「ヤマボクチ餅」は、端午を代表する食べ物としてモチモチとした食感が特徴。無病長寿と幸福を願う端午の食べ物は祭り中、誰でも無料で味わえるのでぜひともオススメする。

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日が沈むと、江陵端午祭はまた違う顔を見せてくれる。華やかな照明の下に広がるステージ、通りで繰り広げられる賑やかなナンジャン(伝統市場)は、祭りの熱気で満ちあふれている。そして、江陵の夜空を彩る花火まで!家族や友だちと一緒に賑やかな端午市場を存分楽しみ、美味しい料理を分け合いながら思い出を作る。韓国を代表する伝統祭り、江陵端午祭で千年にわたって受け継がれてきた伝統の粋を味わってみよう。


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