ビジネス・文化・観光の三拍子が揃う、江陵の無限の可能性
《In Dialog:チョン・サンファ》
■展示概要
-展示名:(日本語)《In Dialog:チョン・サンファ》
(英語) In Dialog: Chung Sang-Hwa
-期間:2024年5月4日(土)-8月25日(日)
-場所:展示室1
-展示部門:絵画13点
-主管:韓国近現代美術研究財団(KoRICA)
ソロル美術館は、アグネス・マーティンの作品世界と美学的対話をつなぐ展示プロジェクト《In Dialog:チョン・サンファ》を開催する。「In Dialog」は、世界美術と韓国美術を結び付けるシリーズ企画の展示プロジェクトである。第1回目のルーチョ・フォンタナとクァク・インシクの出会いに続き、今回はアグネス・マーティンとチョン・サンファを紹介する。
韓国の単色調抽象絵画を代表するチョン・サンファ(Chung Sang-hwa(鄭相和):1932~)の作品は、アグネス・マーティンの作品と並べて論じるに値する。アグネス・マーティンの絵画が、作家の純粋な精神性を節制された言語によって比喩的に表現されていた頃、韓国では、アバンギャルドな実験的アートと同時に遂行性が強調された単色調の抽象絵画が重要な動きをつくっていた。
チョン・サンファの「白色抽象(ホワイトアブストラクト)」には、長い歳月もの間、韓国、日本、フランスを往来しながら現代アートの最前線で活躍していた作家たちの創作世界が集約的に濃縮されている。今回の展示は、遂行性が強調されたチョン・サンファの幾何学アートと詩的感受性が盛り込まれたアグネス・マーティンの作品に結び付く美学的関係を探求するために、最も節制されたチョン・サンファの白色抽象(ホワイトアブストラクト)の代表作を紹介する。
ゆっくりと作品を鑑賞すると、画面上部に互いに連結している小さなブロックの境界から立体感が感じられる。静かで落ち着いた、静的で瞑想的なカラーバリエーションの前で、鑑賞者の視線は深く惹きつけられる。このような没頭の経験は、チョン・サンファが用いる独特かつ独自の絵画技法と関係がある。張られていないキャンバスに純白の高陵土を覆うように塗る。乾いたキャンバスを縦横にしわを寄せるように折り、ひびが入るとその部分を剥がしてアクリル絵具を埋める。塗って、乾燥させて、折って、剥いで、埋めての過程が幾度も繰り返されると、チョン・サンファ特有の平面が現れる。このような過程を経たチョン・サンファの作品は、描かれた絵画ではなく創り出された絵画といえる。作品活動は作家の緻密な計画から始まるが、まるで自らカタチを探り出すように自然に拡張されていく。完璧な調和、完璧なバランス、完璧なカタチに達すると作家の手は止まり、作品は完成する。
チョン・サンファは、自らの創作行為を「仕事」と称する。創作行為に対して特別な意味を付与しない作家の想いを感じ取ることができる。作品活動に対する姿勢から、そして彼が生きてきた人生からも、加えて満たすよりも減らそうとする痕跡が歴然としている。平面から平面を見出すのみ、読み取るべき意味や特定のナラティブは盛り込まない。幾度となく出して埋めるの過程を反復することで、平面の中に宿る無限の平面を解明する。それほど作品活動の過程と行為が決定的である。一つのカラーに溶け込むニュアンスを異にする無数のカラー、そして、視覚的触感を誘発する細かいあやの動きは、「一つの全体」として経験される。
《In Dialog:チョン・サンファ》は、1970年代から2010年代までチョン・サンファが純良なものに創り上げた「白色抽象(ホワイトアブストラクト)」に焦点を当てることで、彼が到達した芸術的成就をアグネス・マーティンの作品とともに見出す。
[作家紹介]
チョン・サンファ(Chung Sang-hwa(鄭相和):1932~)
1932年、慶尚北道盈徳生まれ。チョン・サンファは、中学在学中に偶然のきっかけで美術を始めた。朝鮮戦争の只中である1953年にソウル大学美術学科に入学し、1957年に仁川師範学校の教師として在職しながら本格的に画家としての活動を始めた。現代美術家協会とアクチュエルの会員として活動していたチョン・サンファは、従来の絵画の型を果敢に破り、アンフォルメルに近い実験的アートに没頭した。
1967年にはパリに滞在して欧米現代アートの最新トレンドをマスターし、1969年から1977年までは日本の神戸で活動した。この時期のチョン・サンファは、日本のラジカルなアーティスト集団「具体」のリーダーである吉原治良と親しく交流した。この日本での活動時にチョン・サンファの画風は、エネルギッシュなアンフォルメルから単色調の抽象絵画へと漸進的に変化した。1973年以降は有機的な形が消え、画面がグリッドへと分かれ始める。以後、パリや日本など国内外で作品活動を行い1992年に帰国、現在もなお活発な作品活動を展開している。
出典:ソロル美術館 報道資料
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